本当に欲しいものは・・・。

2009.05.15

お金も無く、食べる物も無く、餓えに苦しむ男が居た。
その男の前に突然、神様があらわれた。

「何か欲しいものはあるか?」と神様が聞いた。

「お腹がすいて・・・」

すると神様は自分の手のひらから1枚のコインを出し男に渡し、すっと消えた。

それから数ヶ月後、また男は餓えに苦しんでいた。
また、同じように突然、神様があらわれた。

「何か欲しいものはあるか?」

「コインを1枚・・・」

神様は又、手のひらから1枚のコインを男に渡した。

男は餓える度に神様を探すようになった。

やっと念願が叶い神様と会うことができた。

神様は言った。
「また、コインが欲しいのか?」

男は答えた。

「いいえ、神様、あなたの手が欲しいのです」

男にとっては「神様」に感謝する気持ちも無く、神様を崇拝する気も無い。
ただただコインを出すことができる「神様の手」が欲しいだけなのです。

本当に欲しいものは「コイン」ですから相手は誰でもかまいはしない。

その後、その男は2度と神様と出会うことは無かった。

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